最判平28.12.8:差止めの訴えを提起には重大な損害を生ずるおそれが争点となる

最判平28.12.8:厚木基地騒音訴訟の抑えるべき判例について今回は解説していきます。

前提条件

前提として、神奈川県厚木市には厚木基地がありアメリカ海軍が飛行場として使用しています。
当然基地には飛行場がありますので、自衛隊機・米軍機の飛行機が飛ぶことで、周辺住民は騒音で日常的に反復して苦しめられることになります。

そこで、厚木基地周辺住民が原告となり、国を被告として、「静かな空を取り返す」として、行政事件訴訟法第37条4項の差止め訴訟と国家賠償を請求した。

1976年に提起してから複数回にわたり提起されています。当初は70数人だった原告も4字訴訟では7,000人を超えました。
今回は重要な判例である、差止め訴訟の論点でお話いたします。

争点と抑えるべきポイントと結論

この厚木基地周辺住民の差止め訴訟では2点が論点とされました。

①差止め訴訟の要件である「基地周辺住人は騒音で苦しめられることに重大な損害を生ずるおそれ」が認められるかが争われました。

判例では「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められた。

防衛大臣の権限の行使が「裁量権の範囲を超え又はその濫用」と認められるか?

判例では「裁量権の範囲を超え、濫用と認めることはできない」という結論になった。
自衛隊が夜間早朝の運航を自主規制している点や、防音工事への助成費用として総額1兆円超を支払っていることを考慮し、「防衛大臣の権限行使は妥当なものだ」と結論付けた。

結論

自衛隊機の運行には高度の公共性があり、騒音被害は軽視できないが、相応の対策が講じられており、防衛大臣の権限行使は妥当。

として、却下判決となり周辺住民は悔しい思いをすることとなりましたが、
過去の騒音に関する賠償は国家賠償法にて救済されており、
その点もまたこの論点の複雑かつ大きすぎる争いを表しているのではないでしょうか。

過去の出題

H.30行政書士試験、行政法問題19で、厚木基地の騒音についての判例が出題されました。

まとめ

今回は、厚木基地周辺住民による厚木基地騒音訴訟の抑えるべき判例ポイントについて説明してきました。

重大な損害を生ずるおそれは認められたが、裁量権の範囲を超えて、濫用があるとは認められず差止め認容裁決とはなりませんでしたが、国家賠償法にてお金が支払われたと覚えておけば行政書士試験ではバッチリでしょう。

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