最判令2.11.25: 出席停止処分取消等請求事件(法律上の争訟にあたる※変更)ついて今回は解説していきます。
こちらは普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰と司法調査の判例となります。
わかりやすく噛み砕いて説明していきますね。
前提条件
岩沼市議会の議員A氏は委員会を欠席したことで、
儀活により公開の議場における陳謝の懲罰を科しました。
これを受けてA議員は陳謝分を読み上げましたが、
別日の委員会にて以下の発言をしました。
このA議員の発言に対して議会は問題として、定例会において23日間の出席停止の懲罰を科す処分をしました。
これにともない、月額36万3000円の給料のうち23日分減額されます。
A議員は普通地方公共団体の議会の議員に対する地方自治法135条1項3号所定の出席停止の懲罰の適否は,議員報酬の減額を伴う場合には司法審査の対象となり,本件処分の取消し及び議員報酬の支払を求める訴えを提起しました。
元々。最高裁昭和34年,普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の
懲罰の適否は一律に司法審査の対象とならないとした最高裁昭和34年(オ)第10号同35年10月19日大法廷判決・民集14巻12号2633頁に反するという過去の判例にもありました。
本来、議員の懲戒などの処分は地方公共団体の機能であり、議会の裁量であり法律上の争訟とならないとされていました。
では、今回なぜ結論が変わったのでしょうか。
議員A(原告)VS懲戒処分をした議会(国家賠償請求なので被告は呉市)
どちらが勝利したのでしょうか。
争点と抑えるべきポイントと結論
この普通地方公共団体の議員に対する出席停止の懲罰と司法調査では①点が論点とされました。
①地方議会の議員に対する出席停止の懲罰は法律上の争訟にあたるかどうか
①地方議会の議員に対する出席停止の懲罰は法律上の争訟にあたるかどうか
ここまで読まれている人は。地方議会の議員の懲罰は議会の権限とされていましたが、
今回、法律上の争訟(裁判の対象となる)とされました。
ではどんな場合に法律上の訴訟にあたるかは以下の判決理由と補則に書かれています。
したがって,普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰の適
否は,司法審査の対象となるというべきである。
これと異なる趣旨をいう所論引用の当裁判所大法廷昭和35年10月19日判決
その他の当裁判所の判例は,いずれも変更すべきである。
1 法律上の争訟
法律上の争訟は,①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する
紛争であって,かつ,②それが法令の適用により終局的に解決することができるも
のに限られるとする当審の判例(最高裁昭和51年(オ)第749号同昭和56年
4月7日第三小法廷判決・民集35巻3号443頁)に照らし,地方議会議員に対
する出席停止の懲罰の取消しを求める訴えが,①②の要件を満たす以上,法律上の
争訟に当たることは明らかであると思われる
結論
以上によれば,市議会の議員である被上告人に対する出席停止の懲罰である
本件処分の適否は司法審査の対象となるから,本件訴えのうち,本件処分の取消しを求める部分は適法であり,議員報酬の支払を求める部分も当然に適法である。そうすると,本件訴えが適法であるとした原審の判断は,結論において是認することができる。論旨は採用することができない。
【結論】
教育委員会(管理者)側の勝ちとなりました。
普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰と司法調査の判例(法律上の争訟にあたる)とされました。
司法権が及ぶことは出席停止の懲罰の適否を司法審査の対象とした場合、
議会の裁量の濫用的な懲罰は抑止されることが期待できるし、過度に地方議会の自律性を阻害することにはならない。ともされています。
過去の出題
令和元年度、問題3、選択肢4
平成27年度、問題6、選択肢5
記述対策:ランクC
ほとんど出題されません。結論だけ覚えていれば問題ありません。
まとめ
今回は、最判令2.11.25:普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰と司法調査の判例(法律上の争訟にあたる)について説明しました。
普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰と司法調査の判例(法律上の争訟にあたる)。とおぼえておけば行政書士試験ではバッチリでしょう。
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