最判平16.10.15:水俣病と国の規制権限と国家賠償法ついて今回は解説していきます。
こちらは4大公害病の水俣病に対して国家賠償請求が違法と判断された事例です。
4大公害病と言われていますので、イメージが付きやすいかと思います。
わかりやすく噛み砕いて説明していきますね。
前提条件
とある工場から排水(水銀の排出)が原因として、水俣病患者が発生して死者数も出ていました。
国は8割強の確率(高度の蓋然性)でその原因となる工場を特定していました。
ただ、特定していただけで、すぐに処理方法を改善や営業停止など国は必要な措置を講じるように命じていませんでした。
つまり規制権限の不作為(規制権限の行使をしなかったわけです)
被害者VS規制をしなかった国
どちらが勝利したのでしょうか。
争点と抑えるべきポイントと結論
この水俣病と国の規制権限と国家賠償法では①点が論点とされました。
①規制権限を講師しなかった
①規制権限を講師しなかった
割と社会などで勉強している方も多いと思いますので、判決理由を見てみましょう。
【参考】判決理由
通商産業大臣において,上記規制権限を行使して,Dに対しF工場のアセトアルデヒド製造施設からの工場排水についての処理方法の改善,当該施設の使用の一時停止その他必要な措置を執ることを命ずることが可能であり,しかも,水俣病による健康被害の深刻さにかんがみると,直ちにこの権限を行使すべき状況にあったと認めるのが相当である。
結論
1 国が,昭和34年11月末の時点で,多数の水俣病患者が発生し,死亡者も相当数に上っていると認識していたこと,水俣病の原因物質がある種の有機水銀化合物であり,その排出源が特定の工場のアセトアルデヒド製造施設であることを高度のがい然性をもって認識し得る状況にあったこと,同工場の排水に含まれる微量の水銀の定量分析をすることが可能であったことなど判示の事情の下においては,同年12月末までに,水俣病による深刻な健康被害の拡大防止のために,公共用水域の水質の保全に関する法律及び工場排水等の規制に関する法律に基づいて,指定水域の指定,水質基準及び特定施設の定めをし,上記製造施設からの工場排水についての処理方法の改善,同施設の使用の一時停止その他必要な措置を執ることを命ずるなどの規制権限を行使しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
【結論】
国民側の勝ちとなりました。
水俣病による健康被害の深刻さにかんがみると、直ちにこの権限を行使すべき状況にあったと認めるのが相当であるため。
過去の出題
令和3年度、問題21、選択肢エ
4大公害病は社会の教科書にも載っているレベルであり、国民が勝ち。
ほぼば間違えることはないでしょう。
記述対策:ランクC
ほとんど出題されません。
結論だけ覚えていれば問題ありませんし、一度見れば忘れないでしょう。
まとめ
最判平16.10.15:水俣病と国の規制権限と国家賠償法ついて説明いたしました。
国の不作為も緊急性や深刻さによっては違法となる。4大公害は国民の勝ちとおぼえておけば行政書士試験ではバッチリでしょう。
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